「メモを取れ」という先輩ほど無能
「メモを取れ」っていう先輩がいたら、
即「無能判定」を下すよ、俺。
って断言したのは、我が弟です。
正直、ものすごくショックを受けました。
なぜなら自分がずっと後輩や仕事の指導をしなきゃいけない人に言い続けてきた言葉だったから。
「メモを取る」ことの素晴らしさを心底信じ切っていたので。
なんか完全に自分を否定されたような気がしました。
しかし、あらためて考えてみるとたしかに「メモを取れ」という言葉の表と裏側にある自分の隠したい感情があることに気づかされました。
「メモを取れ」と言う人の表側にある感情
・メモがあれば何度も聞く必要がなくなり、変な気苦労がなくなるだろう。
・メモがあれば、忘れても思い出すことができるので気が楽だろう。
・仕事の流れや手順を早く覚えやすいだろう。
・お互い時間がない中で、最も効率がよい仕事の教え方である。
こんなところでしょうか。
基本は、一応相手のためを思って「メモを取れ」と言ってるのです。
しかし、同時に見え隠れする裏側の本音の部分があります。
「メモを取れ」と言う人の裏側にある本音
・心の余裕も時間の余裕もないから、何度も聞いてこられるのは勘弁
・教えること自体がかなり面倒。一度きりにしてほしい
・失敗されたくないから確実にメモ取って仕事覚えろ。フォローしたくない
・きちんとこっちが教えたことの証拠をメモとして残しておいてほしい
・同じことを何度も言いたくない。メモとって自分で学習しろ
こんな感じです。
正直、自分がこんな感情を抱いていたような気がします。
なんという余裕のなさ。
書いていて、情けなくなりました。
確かに、「無能」な人の代表のような気がしてきました。
メモを取ることが決して悪いことではないですが、かたくなに「メモを取れ」と言ってしまう人は、ちょっと能力の面でも人格の面でも難ありなのかもしれません。
一方、「メモを取れ」と言わない人の有能な面について弟はこう言っていました。
「メモを取れ」と言わない先輩の有能な点
・基本的に精神的に余裕がある人が多く、仕事に対する能力も高く、自信があるので、いつでもなんでも聞いてくれ、なんでも何度でも教えるよのスタンスが取れている。
・常に、オープンな感じで何でも相談しやすい空気を持っている。今自分に話しかけるなオーラを出さない。とても頼もしい。
・失敗してもフォローできるだけの力と余裕を持っているので、とりあえずなんでもやらせてみて、成功も失敗もさせてみる。見守る力、支える力がある。
こんな人いたら、仕事上手く回りそうって人の典型だったのです。
なんちゅー心の余裕・・・。
自分とはまるで真逆の存在で、こんな人になりたかった人生でした。
自分は、メモを取れと言い続けて、そして逆に仕事を教わるときは常にメモ取りまくりだったんですが、弟は一切メモは取らないと言っておりました。
メモを取らないと不安にならないの?
何度も聞いたら、バカって思われるじゃん?
と尋ねたところ驚きの答えが。
「いいんだよ。
バカって思われて。
姉ちゃんのダメなとこはそこ。
最初はバカって思われて、何でも聞いちゃうキャラを演じるのよ。
それを許してもらえるキャラになりきるの。
そんで、そっから仕事一気に覚えて、有能キャラに変貌していけばいいの」
「メモ取らないから、超真剣に話聞くよね。
必死で覚えるわ。
んで、すごい量の仕事を自ら進んでやらせてくれって手をあげて、何度も何度もその仕事をやるの。
メモ取ってる暇あったら、その業務を量でこなして、まず慣れろってこと。
最初は冷や冷やするよ。
失敗したらって思うけど、そういうのを乗り越えた先に、仕事が本当に身につくんだよ。
いつまでもメモに頼るから覚えないし、そういう人ほど仕事の量こなさないし。
そのうえプライドだけは高いから失敗おそれてますます仕事しなくなる。
全くもって悪循環」
なんというかぐうの音も出ない。反論できませんでした。
たしかに振り返ると職場でエースクラスのめちゃくちゃ有能な人で、必死にメモ取る人っていなかったような気がします。
メモ取るような方は、自分の仕事の範囲を限定して、それ以外はできませんみたいな狭量な人が多かったような・・・。
心の余裕がない必死で仕事してるタイプが基本多かったような気がします。
しかし、私は結論からいって、メモを取ることで不安が取り除かれて、仕事に集中できるのならばメモを取ることは悪いことじゃないと思います。
でも、後輩たちにメモを取ることを強制することは、自分の力の無さの表れかもしれないので、今後は強制せずに自分の仕事のパターンにあわせて、メモ取るなら取ってくらいにしておこうと思います。