何者にもなれないままに・・・
母が、来年のカレンダーに予定や家族の誕生日を書き込んだそうだ。
私の誕生日の日に、「42歳」と書き込んだときに・・・。
背筋がぞっとしたとのこと。
このまま、この子はあっという間に「50歳」を迎えるのかもしれないと思ったそうだ。
母は、ずっと「このままでいいのか?」と不安をずっと煽ってくる。
このままでいいわけないことぐらい自分が一番わかってる。
この先、親が死んで、独りぼっちになってこの一人には広すぎる家を持て余しながら、生きていかなくてはいけない。
体がまだ動けるうちに働けばいいのに。
お金が貯められるうちに、ためておけばいいのに。
そんなことを母は事あるごとに言ってくる。
母の気持ちは十分理解しているのだけど、どうしても動けない自分がいて情けない。
今ようやく必死でみっともない巨体を人並みに戻そうと努力をしている。
私は、性格上一つのことしかがんばれない。
あれもこれも同時進行でやるとなると力も意識も分散してしまって、本来の能力が発揮されないのだ。
だから今は、なんとか痩せることだけに集中してる。
浪人までさせてもらって、良い大学に行かせてもらったのに。
さぞかし凄い仕事して、偉くなるだろうと期待してくれてただろうに。
本当に申し訳ない。
学力と仕事を続ける能力は、残念ながら比例しないタイプでした。
性格も臆病すぎて、ひどくアホみたいなプライドが高すぎでした。
それに加えて双極性障害が、人生トラブルに拍車をかけてしまって。
全ては、気づくのが遅すぎてというか、勘違いが暴走したというか。
自分は天才かもしれないと。
他の人とは違う人種だと。
とんでもない勘違いをだいぶ長い間して、理想と現実のギャップに苦しんで苦しんで、結局なんでもない凡人だったということに30代後半でようやく気付くようなポンコツ。
でも、ポンコツであると今気づけて良かったと思ってる。
妙なプライドも自我も完全崩壊して、今はとても心が楽だ。
何者かにならなくてはいけないという自分をがんじがらめに縛っていた価値観から解放されて、ようやく息ができるようになった感じだ。
何者にもなれない人生だったけど、何者でもない一人の人間として、ほそぼそと自分だけの幸せ求めて生きていこうと思ってる。
誰かに認めてもらいたいとか誰かの役に立ちたいとか、そういうことはちょっとどなたかにお任せしてしまおう。
とにかく今は、矢のように過ぎていく毎日の中で、自立して生きていく方法をなんとか模索していくまで。
妻にも母にもならない人生を選択しようとしているのだから。
何者でもない人間として、迷惑のかからない生き方をしたい。
というわけで、そんなメリークリスマス。