発達障害の人向けのライフハックが詰まった本
借金玉
「発達障害の僕が『食える人』に変わったすごい仕事術」
っていう本を最近読みました。
この本の中で、
「表彰台が全部埋まっていても自分のレースを走り切ろうと思います」っていう言葉に出会ったのです。
障害をもった当事者が書いているので、本当に共感させられることが多く。
この方は、発達障害の上にさらに双極性障害も持っている方なので非常に共通点が多くて、読んでいて心がスカっとするというかスッと軽くなるというか。
世界中が「ハイスコア自慢大会」みたいになっていて、それだけが目的みたいになってる中で、そうじゃない自分の人生を生き切るためのライフハックが、一生懸命彼の手によって詰め込まれている。
・大事なものでも見えなくなったとたんに我々にとっては「存在しないもの」に変わる。
・心を入れ替えてがんばるとかは無理なので、やり方と環境を変えてしまう。
自分は変われないから、自分以外のものを変えてく。
・全ては集約化して、一目でわかるようにして、さっと手が届くようにしておく。
大事な物がないというパニックから逃れるために。
・会社は部族。茶番だとわかりきっててもその部族の掟に従え。
仲間として受け入れられるように。
・一般の人の「普通」の生活を追い求めるな。
自分のとっての生産性の出る生活リズムでいい。
こういったことを中心に、どうすれば発達障害があってもなんとかまだマシに生きて行けるかを色々な方法を駆使して披露してくれている。
自分は発達障害の診断は下ってないけども、なんかすごく思い当たるところが多くて、非常に参考になった。
自然と自分なりのハックを成立させていたけれども、いまだに色々と失敗することも多い。
一番共感したのは、
「見えないものは存在しないもの」
これは本当に笑えるほど事実。
記憶から完全に抹消されるんですよね。
見えなくなったとたんに、自分の中ではなかったものになっちゃう。
そのおかげで、各所からとんでもないものが色々と出てくる羽目に何度あったことか。
半年以上電源の入ってない冷蔵庫から腐り切った玉ねぎがでてきたことがあったり・・・。
これの片づけは本当に人生1、2位を争うほどの悲惨な経験だった。
ポプリを作ろうと額縁の裏にミカンの皮を置いてたらカビだらけになってたり・・・
なんでそんなところで作ろうと思ったのか謎。
そういう自分たちのような障害持ちの悪い点をなんとかカバーしていくための視点と方法が示されている。
重度の障害の方にはちょっと適用されないかもしれない。
軽度な障害の方やグレーゾーンの方向けかな。
精神病医師とかが書いたこましゃくれた居丈高な学術本とは全く違うので、非常に身近に感じることができて、納得しながら読める。
とにかく「やっていきましょう」が合言葉。
人生は、どんな状態でも生きてる限り続いていく。
だから「やっていく」しかない。
そんな人生を少しでもマシなものにするためのライフハック本。
作者の方は、ツイッターで結構強い発言をしまくってるみたいですが・・・。
書籍自体はとってもよかったですよ。
発達障害持ちの方にはおススメの一冊です。